第136回 ヨーロッパ音楽都市巡り パリ その5 バスティーユ歌劇場

第136回 ヨーロッパ音楽都市巡り パリ その5 バスティーユ歌劇場

2023年01月10日(火)11:00 AM

 今回はパリのもう1つの国立オペラ座、バスティーユ歌劇場です。

バスティーユ歌劇場外観



 バスティーユは、バスティーユ牢獄があったエリアで、1789年7月14日に民衆によって牢獄の襲撃事件が起き、これがフランス革命の発端となりました。そして、その後もフランス革命の象徴の場所となったのです。今は再開発され、大きな広場となっています。

バスティーユ広場にある7月革命の円柱



 バスティーユ広場は、フランス革命の200周年に向けて大規模な再開発が進められましたが、その中でもミッテラン大統領によって、メインの建物として新しいオペラハウスの建設が計画されたのです。世界中から公募が集められ、コンペの結果、カナダ人カルロス・オットーのプランが採用されました。1989年7月13日に竣工され、1990年3月17日、フランスが誇るエクトル・ベルリオーズ(1803-1869)の超大作のグランド・オペラ「トロイアの人々」によってこけら落としされました。指揮はバスティーユ歌劇場の初代音楽監督に就任した世界的な韓国人指揮者のチョン・ミョンフン(1953-)でした。

巨大な正面階段



 近代的なガラス張りの巨大な建物は、地上7階、地下6階、客席は2,703席という巨大な空間で、世界最大の9面舞台を誇り、遮音壁によってオペラの本番上演中でも、別のオペラのリハーサルが出来るという夢のようなオペラハウスとなっています。ガルニエ宮では到底出来なかった大規模な演出も可能となりました。大劇場、可動式劇場、円形劇場、小劇場の4つの劇場があって、しかも最新のテクノロジーによって、素晴らしい音響を誇ります。

ホワイエ風景



 開館当初は、バスティーユでオペラ、ガルニエでバレエ、という風に振り分けられていなしたが、今ではガルニエで、バレエとバロックオペラやモーツァルトのオペラ、バスティーユでオペラや大規模なバレエが上演されています。

 

カーテンコール風景

 

執筆:上月 光



«   |   »

Facebook

▲TOPへ戻る