第126回 ヨーロッパ音楽都市巡り プラハ その3 スメタナホールとドヴォルザークホール
第126回 ヨーロッパ音楽都市巡り プラハ その3 スメタナホールとドヴォルザークホール
今週からはプラハの劇場、オペラハウスを紹介していきましょう。まずは市民会館(Obecní dům)から。劇場自体が芸術作品のようなこの劇場は、1906年から6年間かけて建てられたアールヌーヴォー様式による劇場です。外観だけでなく、美しい天井画やステンドグラス等、必見です。

市民会館正面入口
旧市街の中心共和国広場にありますが、1918年にチェコスロヴァキア共和国が独立宣言をした歴史的な場所です。
市民会館の中心は、プラハで1番大きなホールのスメタナ・ホールです。チェコの偉大な音楽家ベドジルハ・スメタナ(1824-1884)の名前が付けられたこのホールは、プラハの春音楽祭のメイン会場の1つとなっています。

スメタナホール客席
プラハの春音楽祭は、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団の創設50周年を記念して1946年から始まった音楽祭で、毎年スメタナの命日5月12日に「わが祖国」で始まります。スメタナについては、別の稿で詳しくご案内しましょう。

スメタナホール
次にルドルフィルム(Rudolfinum)です。1885年にヴルタヴァ川のほとりにネオ・ルネッサンス様式で建てられた音楽公会堂で、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団の本拠地です。ルドルフィルムとは、当時のオーストリア皇太子ルドルフの名前にちなんで付けられました。メインの劇場は、スメタナと並んでもう1人の偉大なチェコ人作曲家アントニン・ドヴォルザーク(1841-1901)の名前が付けられたドヴォルザーク劇場です。チェコ・フィルハーモニー管弦楽団は、1896年にドヴォルザーク自身の指揮によって創設されました。ドヴォルザークも後述します。この劇場もプラハの春音楽祭のメイン会場となっています。

スメタナホール
執筆:上月 光
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