第117回 ヨーロッパ音楽都市巡り ハイデルベルク その2 ハイデルベルク城
大学と並んで有名な街のシンボルが、ハイデルベルク城です。古城街道の最大のハイライトで、ドイツでもノイシュヴァンシュタイン城と並んで有名な城です。しかしこの城は、ほとんどが破壊されていて、廃墟のような城なのですが、そのまま残されていて、ゲーテやショパンや様々な芸術家がインスピレーションを掻き立てられたようです。

廃墟のようなハイデルベルク城
13世紀の始めに歴史に登場しますが、詳しいことは良くわかっていません。その後中世に、プファルツ選帝侯の居城として栄えましたが、17世紀の三十年戦争、プファルツ継承戦争によって敗戦し、巨大な廃墟となってしまいました。フリードリヒ館が修復された以外は、ほぼ廃墟のまま残っているという世界でも珍しい名所となっています。

ハイデルベルク城から夕焼けの市内を望む
有名なものを幾つか紹介していきましょう。まずフリードリヒ5世(1596-1632)の妃としてイギリスから嫁いできた美しい王女エリザベス・スチュアート(1595-1662)のために作られたイギリス館ですが、今もここで演劇が行われています。エリザベスは、ジョージ1世の祖母にあたり、現在のイギリス王室の祖先になります。

イギリス館
同じくエリザベス・スチュアートに由来するエリザベト門。1615年、フリードリヒ5世が彼女の20歳の誕生日のために、サプライズのために一夜で造ったという伝説が残っている400年前のロマンティックな門です。

エリザベト門
ハインリヒ館は、オットー・ハインリヒ(1502-1559)によって建てられた宮殿で、ドイツ初のルネッサンス建築といわれる重要な宮殿です。

ハインリヒ館
修復されたフリードリヒ館は、フリードリヒ4世(1574-1610)によって造られた立派なハザードを持つ宮殿です。

フリードリヒ館
それから1番有名かも知れないのが、ワインの大樽とそれを見守るペルケオの像です。ペルケオは、子供の頃からワインを飲み続け、病気になった時に医者からワインを止めて水を飲むように言われて、水を飲んだら死んでしまったという伝説の人物です。

ペルケオ像

ペルケオが見守る大樽
執筆:上月 光