第111回 ヨーロッパ音楽都市巡り バッハ巡礼その5 ヴァイマール1
1708年ミュールハウゼンのオルガニストをあっさりと辞めて、バッハは再びヴァイマールへ行きました。ザクセン=ヴァイマール公国のエルンスト公の宮廷オルガニストになったのです。

ヴァイマールのドイツ国民劇場
ヴァイマールは。テューリンゲン州の州都エアフルトから東に20㎞の距離にありますが、古く文化都市として栄えました。ドイツ最高の文豪ゲーテ(1749-1832)や第九の原詩で有名なシラー(1759-1805)もヴァイマールに住み、特に18世紀末からのドイツ古典主義の中心地となりました。2人の家を始め多くの建造物等が世界遺産に登録されています。

ドイツ国民劇場前のゲーてとシラー
ゲーテの「ファウスト」やシラーの「ウィリアム・テル」が初演された国民劇場は、特に重要な場所となっています。

ゲーテ博物館

シラー博物館
第1次世界大戦の敗戦後、ドイツ帝国が崩壊してヴァイマール共和国が成立しますが、その時に作られたヴァイマール憲法は非常も有名です。私が中学校の時にはワイマール憲法と英語読みで習いました。

ヴァイマール城
同時期に作られたバウハウスという美術と建築の学校も設立されました。その後、デッサウ、ベルリンと移り、ナチスによって並行しましたが、東西ドイツ統一後、ヴァイマールに再びバウハウス大学としてよみがえりました。

リスト博物館
バッハの話の前にもう1人ヴァイマールで忘れてはいけない音楽家がいます。それはピアノの天才フランツ・リスト(1811-1888)です。彼は1848年からヴァイマール宮廷楽長として、コンサート・ピアニストから指揮者、作曲家へと変貌を遂げたのです。今もヴァイマールにリストハウスという博物館があります。
執筆:上月 光
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