第108回 ヨーロッパ音楽都市巡り バッハ巡礼その2 アイゼナッハ2
ヨハン・セバスティアン・バッハ(バッハ家の名前がたくさん出てきますので、以降は大バッハと書きます)は、1685年3月31日バッハ家の8人兄弟の末っ子としてアイゼナッハ生まれました。バッハ家はプロテスタントのルター派で、代々音楽好きの家系として知られ、父のアンブロジウスも町の音楽家でした。

バッハの生家にあるバッハ像
生まれて2日後に聖ゲオルク教会で洗礼を受けますが、この教会は現在も町の中心マルクト広場に町のシンボルとして建っています。高くそびえる62mの塔を持ち、ゴシック様式による堂々たる教会です。
まち

町のシンボルゲオルク教会
大バッハは7歳の時にゲオルク教会のラテン語学校に入学し、聖歌隊員として礼拝で歌いながら音楽の基礎を身につけていきました。また、大バッハ以前の一族でもっとも優秀な音楽家であったとされる父の従兄であるヨハン・クリストフ・バッハ(1642-1703)もゲオルク教会のオルガン奏者を務めていて、音楽を学ぶ環境には恵まれていました。

ゲオルク教会のステンドグラス
しかし、9歳の時に母エリザベートが死去し、翌年には父アンブロジウスまで亡くなってしまい、10歳の大バッハは、当時オールドルフの教会オルガニストを務めていた14歳年長で長兄のヨハン・クリストフ・バッハ(1671-1772)に引き取られ、オールドルフに行くこととなります。なお、この兄のヨハン・クリストフも前述の父の従兄と同名ですが、バッハ一族は同名、似た名前が多く、非常に紛らわしいです。

バッハ博物館の弦楽器
執筆:上月 光