第86回 ヨーロッパ音楽都市巡り 「ミュンヘン」その4 プリンツレゲンテン劇場
2021年12月28日(火)11:00 AM
ミュンヘンで3つの国立歌劇場は、あまり知られていませんが、プリンツレゲンテン劇場(Prinzregententheater)です。イザール川を渡ってすぐのところにあります。

プリンツレゲンテン劇場正面入り口
この劇場は、ワーグナーのバイロイト祝祭劇場をモデルに建てられたオペラハウスです。階段状の客席だけによる半円形のアンフィテアター様式による1,070席の劇場で、1901年8月21日ににワーグナーの「ニュルンベルクのマイスタージンガー」で開場しました。

プリンツレゲンテン劇場客席
バイロイトと同じく、音の吸収を防ぐために観客席にはクッションが付いていないため、座りごごちは悪いですが、眠気を防いで舞台に集中する効果もあります(笑)。

プリンツレゲンテン劇場座席
1917年には、ブルーノ・ワルターの指揮で、ハンス・プフィッツナー(1869-1949)の代表作「パレストリーナ」が初演され、1957年にはパウル・ヒンデミット(1895-1963)の「世界の調和」がヒンデミット本人の指揮で初演されました。

プリンツレゲンテン劇場客席
第2次世界大戦後は、壊滅的に破壊されたナティオナル劇場に換わって、プリンツレゲンテン劇場で公演が行われていました。
執筆:上月 光
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