第84回 ヨーロッパ音楽都市巡り 「ミュンヘン」その2 キュヴィリエ劇場

第84回 ヨーロッパ音楽都市巡り 「ミュンヘン」その2 キュヴィリエ劇場

2021年12月14日(火)11:00 AM

 バイエルン王国のヴィッテルスバッハ家の王宮あとがレジデンツと呼ばれ、現在も旧市街の中心地にあって、劇場や博物館になっています。

 

キュヴィリエ劇場内装


 具体的には、レジデンツ博物館(Residenzmuseum)、宝物庫(Schatzkammer)、諸聖人教会(Allerheiligen- Hofkirche)、バイエルン放送交響楽団のヘラクレスザール(Herkulessaal)、さらには来週ご案内する国立歌劇場、宮廷庭園(Hofgarten)からなります。

 その中にあるキュヴィリエ劇場(Cuvilliés-theate)が、当時の宮廷歌劇場で、1753年開場のミュンヘン最古のオペラハウスです。キュヴィリエ劇場は、建築家のジャン・フランソワ・キュヴィリエ(1695-1768)から取られた名前で、463席と小さな劇需ですが、ロココの宝石と呼ばれる美しい劇場です。

 この劇場は、モーツァルトの最初の本格的なオペラ・セリアで、「クレタの王イドメネオ(Idomeneo, re di Creta)」の初演という輝かしい劇場を誇ります。1780年バイエルン選帝侯のテオドールから謝肉祭で上演する新作オペラの依頼を受け、同年秋にザルツブルクからミュンヘンへ行き、滞在をしながら新作オペラを書きあげました。そして1781年1月29日キュヴィリエ劇場(当時の名前は、レジデンツ劇場)で初演されました。

ザルツブルクのモーツァルト広場のモーツァルト像



 モーツァルトは、初演が終わってもザルツブルクに戻らず、そのままウィーンへ行きましたが、同年5月にザルツブルク大司教と決裂して、そのままウィーンに定住することになりました。

ウィーンのモーツァルトの眠る聖マルクス墓地の記念碑

 

 

 

執筆:上月 光

 



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