第82回 ヨーロッパ音楽都市巡り ヘンデル巡礼その5 ヘンデルの生涯
「メサイア」以降、ヘンデルは、イタリア・オペラの作曲をキッパリと止め、英語によるオラトリオ作曲家となって、大いなる成功を収めました。

2008年当時改装中のハレのヘンデルの生家
1747年にロンドンのコヴェント・ガーデンで初演されたオラトリオ「ユダス・マカベウス」は、大成功を収めました。この作品の中の「見よ、勇者は帰る」は、特に世界中で有名で、日本では表彰式などで使われる定番の曲になっています。この曲は、初演時にはなかった曲ですが、1750年の再演時に、1748年に書かれたオラトリオ「ヨシュア」から持ってきた旋律で、ベートーヴェン(1770-1827)もこの旋律の変奏曲を書いています。
https://www.youtube.com/watch?v=-wFQKyCouLs

ロンドンのオペラハウス、コヴェント・ガーデン
オラトリオ以外の曲も数多く作曲しましたが。1748年のオーストリア継承戦争の終結を祝うアーヘンの和議の祝典を祝うために作曲された「王宮の花火の音楽」は有名です。1749年の式典では、イギリス国王ジョージ2世の意向によって吹奏楽と打楽器だけで演奏されましたが、その後、ヘンデルの希望によって弦楽器を入れた管弦楽曲となりました。特に勇壮な序曲が有名です。
https://www.youtube.com/watch?v=WavG8gvWhWU
その後、視力を失っていき、1752年には完全に失明してしまいますが、演奏活動は続けて、1759年にロンドンで死去、今はウェストミンスター寺院で眠っています。

ヘンデルが眠るロンドンのウェストミンスター寺院
死去したあとも、後世のモーツァルト(1756-1791)やベートーヴェンを始め、数多くの作曲家たちに影響を大きな影響を与えた偉大な人生でした。
執筆:上月 光