第69回 ヨーロッパ音楽都市巡り イタリア番外編12「シチリア島その3」
シラクーザからいったん北上してカターニア経由、まっすぐ西に70㎞進むとシチリアのへそと言われる島の中心にある標高930mの街、エンナに出ます。さらにエンナから西南西に40㎞ほど進むと地中海に出る少し手前にアグリジェントがあります。

エンナのロンバルディア城
<アグリジェント>
アグリジェント(Agrigento)の郊外にある神殿の谷と呼ばれるギリシア遺跡群は、「アグリジェントの考古的地域」として世界遺産に登録されています。神殿の谷には7つの神殿が残っていますが、すべてギリシア建築様式でも最も古い紀元前6~5世紀のドーリア式によって造られた神殿です。
ほぼ完全な形で残っているのがコンコルディア神殿で、2400年前の見事な姿を見せていて、本家のギリシアにもこの規模の神殿は残っていません。

コンコルディア神殿
8本の円柱が建つだけですが、紀元前520年と最も古いヘラクレス(エルコレ)神殿やヘラ(ジュノーネ)神殿も見逃せません。ヘラ神殿は標高が高いので、地中海や現在のアグリジェントの素晴らしい眺望が見られます。

ヘラクレス神殿

ヘラ神殿

ヘラクレス神殿からアグリジェントの街並み
<トラーパニ>
アグリジェントから海岸線を西北に180㎞上がっていくとシチリア島西端の街トラーパニ(Trapani)があります。イタリアで港町で、北アフリカのチュニジアへの航路などがあります。塩田が有名で、古くから塩の街として栄えました。また、北アフリカ生まれの料理クスクスが名物料理です。隣街の山の頂上に作られた天空の街エリチェも必見です。

トラーパニの海岸線

トラーパニの塩田と風車

天空の街エリチェ
執筆:上月光
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