第64回 ヨーロッパ音楽都市巡り イタリア番外編7「ポンペイ」
ナポリから南東に24㎞ほど行ったところに世界遺産のポンペイがあります。79年夏ヴェスヴィオ火山の大噴火によって、瞬時に灰に埋もれてしまった古代ローマの街です。

背後にヴェスヴィオ火山を望む
ヴェスヴィオ火山の噴火の火砕流によってポンペイの街は瞬時に埋もれてしまい、さらにその上に降り積もった灰によって、街は地上から5mも下に消えてしまいました。
18世紀になってからようやく発見され、本格的に発掘作業が始まりますが、あまりに突然の出来事だったため、街はそのままの形で残っていました。そして、私たちは今も2000年前のローマの街並みを見ることが出来るのです。
当時のポンペイは、ローマの富豪たちのリゾート地になっていて、文明はかなり進んでおり、道は石畳で舗装されていて、車道(馬車)と歩道が分かれていて、横断歩道もあり、上下水道も整備されていました。

舗装された道

アポロ神殿と祭壇

競技場

大浴場

精巧なモザイク
数多くの映画や小説にもなっているので、今では多くの人に知られていますが、発見されてから300年で雨風に晒され、劣化も大きな問題となっています。
この地域で作られている白ワインのラクリマ・クリスティーは、キリストの涙という意味ですが、安価で飲みやすく人気があります。
大噴火を起こしたヴェスヴィオ火山ですが、今も活火山で、大小の噴火を続けています。かの有名な「フニクリ・フニクラ」の歌は、ここの登山鉄道の歌で、世界最古のコマーシャルソングと言われています。イタリア語でケーブルカーはフニコラーレなので、フニクリフニクラの意味は、そこから来ています。しかし今は、1944年の噴火で破壊され、運行されていません。
また、ポンペイと言えば遺跡が超有名ですが、遺跡のそばにポンペイという名前の街も現存していて、サンタ・マリア・デル・ロサリオ教会は非常に立派で大きな教会です。

サンタ・マリア・デル・ロサリオ教会

美しい内部
執筆:上月光
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