第58回 ヨーロッパ音楽都市巡り イタリア番外編「アッシジ」 

第58回 ヨーロッパ音楽都市巡り イタリア番外編「アッシジ」 

2021年06月14日(月)9:30 AM

第58回 ヨーロッパ音楽都市巡り イタリア番外編「アッシジ」 

 

 ヨーロッパ音楽都市巡りイタリア編もそろそろ終わろうと思いますが、最後に音楽とはあまり関係なくても重要な街、景勝地などを番外編としていくつか紹介いたします。
まずは聖フランチェスコの聖地アッシジから。イタリアではヴァチカンに次ぐカトリックの重要な巡礼地として、毎年数多くの信者が訪れます。

 

町の中心コムーネ広場にあるミネルヴァ神殿

コムーネ広場にあるヌオーヴァ教会

 

 アッシジはイタリア中部のウンブリア州にありますが、ウンブリア州はローマのラツィオ州、フィレンツェのトスカーナ州、アンコーナのマルケ州に囲まれ、イタリアの州の中で唯一海にも国境にも面していない内陸の州です。
 州都はペルージャで、バーチで広く知られるチョコレート会社ペルジーナで有名ですが、日本では、サッカーの中田英寿が最初に所属した海外のチームとして知られています。

 

 さてアッシジですが、カトリックのフランシスコ会の創設者で聖人のフランチェスコが生まれた町として有名です。フランチェスコ大聖堂やその周りの修道施設は世界遺産に登録されています。

 

アッシジのシンボル聖フランチェスコ大聖堂入口

もう1人の聖人キアーラのサンタ・キアーラ聖堂

サン・ルフィーノ大聖堂

丘の上に建つロッカ・マッジョーレの大要塞

 

聖フランチェスコは1182年にアッシジで生まれましたが、生前から数々の奇跡や伝説を残し、1226年に亡くなりました。没後すぐに城壁に沿って丘の上に建てられたのが、壮麗なゴシック建築の聖フランチェスコ大聖堂です。中には28枚のフレスコ画あって、聖フランチェスコの生涯や数々の奇跡が描かれています。聖フランチェスコは、アッシジの守護聖人というだけでなく、イタリアの守護聖人でもあるのです。

 

聖フランチェスコの生家

聖フランチェスコ大聖堂から街を望む

聖フランチェスコ大聖堂の中庭

聖フランチェスコ大聖堂前の広場にある聖フランチェスコの銅像

 

 最後に1つだけ音楽の話を。20世紀を代表するフランス人現代作曲家のオリヴィエ・メシアン(1908-1992)は、自ら台本を書いて「アッシジの聖フランチェスコ」という生涯唯一のオペラを書きました。そして1983年に小澤征爾の指揮で、パリのオペラ座にて世界初演されました。

 

執筆:上月光



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