第44回「ラヴェンナ」 モザイクと音楽祭の街
第44回 ヨーロッパ音楽都市巡り 「ラヴェンナ」
モザイクと音楽祭の街
イタリア中部エミリア=ロマーニャ州の東側、アドリア海に近い町で、モザイクの町として知られ、今日では夏に開かれる音楽祭も非常に注目されています。
この町の歴史は古く、特に5世紀から6世紀のころ、東ローマ帝国の総督府の町として大いに栄えました。当時の聖堂、礼拝堂の数々は、ビザンティン建築の傑作として、「ラヴェンナの初期キリスト教建築物群」として世界遺産に登録されています。特に当時のモザイクの美しさは息を飲むほどです。

ガッラ・プラチディア霊廟のモザイク

サン・ヴィターレ聖堂のモザイク

サンタポリナーレ・イン・クラッセ教会のモザイク

サンタポリナーレ・ヌオーヴォ教会
ラヴェンナ音楽祭は1990年に創設された音楽祭で、そのジャンルは、オペラ、バレエ、オーケストラ、宗教曲、バロック音楽、現代音楽、室内楽と非常に多方面に渡っており、若い音楽家の育成にも力を入れています。会場はダンテ・アリギエーリ劇場や、パラッツォ・マウロ・アンドレ屋内競技場などが使われてています。

音楽祭の会場、パラッツォ・マウロ・アンドレ屋内競技場
創設したのは、指揮者のリッカルド・ムーティ夫人であるクリスティーナ女史ですが、彼女はラヴェンナ有数の有力者で、創設当時からムーティが音楽監督を務めるミラノ・スカラ座やウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、ケルビーニ管弦楽団に毎年のように出演し、音楽祭のレヴェルを挙げてきました。特に27歳以下の若い音楽家で形成されているケルビーニ管弦楽団は、ラヴェンナ音楽祭のレジデント・オーケストラとして活躍しています。この音楽祭は海外公演も積極的に行っています。
また、イタリアを代表する文豪のダンテ・アリギエーリは、この町にとどまって「神曲」を完成させました。ダンテの墓はラヴェンナにあります。

ダンテの墓
執筆:上月光
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