第36回 「パルマ」 その1 ヴェルディ巡礼番外
第36回 ヨーロッパ音楽都市巡り
「パルマ」 その1 ヴェルディ巡礼番外
ヴェルディ巡礼の番外ともいうべきパルマに行きましょう。ヴェルディの故郷で大きな町はやはりパルマ公国の首都パルマでした。中世ルネッサンスから栄えた町で、今もその町並みが残っています。日本でパルマというと、プロシュート・ディ・パルマ、パルマの生ハムとパルミジャーノ・レッジャーノ、パルマ産のチーズでしょうか。パルマは美食の街としても有名です。
町のシンボルは12世紀~13世紀に作られた大聖堂と鐘楼、洗礼堂です。大聖堂の外観はロマネスク様式ながら、内部はルネッサンス様式の美しいフレスコ画で、特にパルマで活躍した画家コレッジョ(1489-1534)の天井画「聖母被昇天」は傑作です。

大聖堂と鐘楼
大聖堂のすぐ横に建つのが12世紀に作られた八角柱の洗礼堂で、ピンクの大理石が印象的です。12世紀の建築家ベネデット・アンテーラミの彫刻は圧巻です。

洗礼堂外観

洗礼堂中
パルマ公国の領主ファルネーゼ家の邸宅で16世紀に建てられたピロッタ宮殿(王宮)も必見です。特に3階にあるファルネーゼ劇場は、1618年に建てられたヨーロッパ最古の木造建築の劇場です。国立美術館にあるパルミジャーノ、コレッジョ、ダ・ヴィンチなども見逃せません。

ピロッタ宮殿

ピロッタ宮殿入口
ピロッタ宮殿と同じ平和公園にあるのが、ヴェルディ記念碑です。生誕100周年を記念して1913年に建てられました。中世以降、イタリアは小国に分かれ、オーストリア、スペイン、フランスなどがそれに加わり、分裂していました。19世紀半ば、イタリア統一に向けてのスローガンが、Viva Vittorio Emanuele Re D’Italia(イタリアの王ヴィットーリオ・エマヌエーレ万歳)でしたが、偶然にも略して「Viva VERDI」(ヴェルディ万歳)となり、ヴェルディは時代の寵児となりました。1861年にイタリアが統一されましたが、ヴェルディの友人だったカヴール首相から頼まれ、ヴェルディは国会議員にもなりました。

ヴェルディ記念碑

ヴェルディ記念碑