第35回 ヴェルディ巡礼その3 「サンタガタ」

第35回 ヴェルディ巡礼その3 「サンタガタ」

2020年12月28日(月)9:30 AM

第35回 ヨーロッパ音楽都市巡り
ヴェルディ巡礼 その3 
「サンタガタ」

 

ジュゼッペ・ヴェルディの第3回は、サンタガタです。
第3作「ナブッコ」の大成功以降、1年に2~3作品のペースでオペラを書きあげていきますが、ターニングポイントになったのが、中期の傑作と言われる「リゴレット」です。1851年にヴェネツィアのフェニーチェ劇場で初演されたこの作品によって、ヴェルディはイタリア最高の作曲家の地位を不動にしました。

 

そのころのヴェルディは、世界中のオペラハウスから新作オペラの委嘱を受けながら、パリやブッセートを中心にジュゼッピーナと暮らしていましたが、ブッセート市民のジュゼッピーナへの嫌がらせに嫌気が差していたヴェルディは、ブッセート郊外のサンタガタに大きな農園を購入、農園を自ら経営しながらオペラの作曲を続けるという生活に入っていきました。さらには、「リゴレット」に続いて、「イル・トロヴァトーレ」「椿姫」という傑作を書いたのです。そして、最晩年まで約50年間、サンタガタの農園に住み、農民をしながら作曲を続けるのです。「シチリアの晩鐘」「シモン・ボッカネグラ」「仮面舞踏会」「運命の力」「ドン・カルロ」「アイーダ」「オテロ」「ファルスタッフ」まで後期の作品はすべてが傑作で、今も世界中のオペラハウスでレパートリーとして上演されています。

 

サンタガタの家

サンタガタの中庭

サンタガタの池

 

ヴェルディは、叔父の娘マリアを養女として、ヴェルディ家の相続人としましたが、サンタガタの農園は、今もマリアの一族がヴェルディ博物館として守ってくれています。

 

執筆:上月光



«   |   »

Facebook

▲TOPへ戻る