第30回ヴェローナその3 「ロミオとジュリエット前編 オペラ、バレエ」

第30回ヴェローナその3 「ロミオとジュリエット前編 オペラ、バレエ」

2020年11月23日(月)9:30 AM

第30回 ヨーロッパ音楽都市巡り
ヴェローナ その3
「ロミオとジュリエット前編 オペラ、バレエ」

 

今回は、「ロミオとジュリエット」です。世界中で知らない人はいないくらい有名なシェークスピアの恋愛悲劇ですが、舞台はヴェローナなのです。日本では英語の「ロミオとジュリエット」で知られていますが、イタリア語では「ロメオとジュリエッタ」になります。クラシック音楽やバレエの世界では「ロメオとジュリエット」と表記されることが多く、何でも短縮する日本では、「ロメジュリ」などと言われます。今週と来週は音楽にまつわるお話しを。

 

ジュリエットの家のバルコニー

ジュリエットの銅像

 

この話は16世紀末にシェークスピアによって書かれた本ですが、舞台は14世紀のヴェローナです。皇帝派のキャピュレット家のジュリエットと教皇派のモンタギュー家のロメオの心中の話ですが、実在の話です。実際にこの当時のイタリアでは、皇帝派と教皇派は多くの街で対立していました。2つの対立する家(グループ)に翻弄される若い2人というのは、古今東西、普遍的なテーマのようですが、まさにその典型的な形がこのお話しです。

 

ジュリエットの墓

ジュリエットの墓にあるレリーフ

 

まずオペラですが、まずはフランス近代歌曲の父、シャルル・グノー(1818-1893)の「ロメオとジュリエット」(1868年初演)は今でも頻繁に上演される「ファウスト」の並ぶ彼の代表作です。1幕のジュリエットのワルツ「私は夢に行きたい」は、有名なコロラトゥーラ・ソプラノのアリアとして、単独でも良く歌われます。


パリ・オペラ座のレコード録音で、フレーニ&コレッリの2大スターの共演です。
https://www.youtube.com/watch?v=4hyy_2BwxPI

 

そして、「カターニアの白鳥」と呼ばれるベルカントオペラの第1人者ヴィンチェンツォ・ベッリーニ(1801-1835)の「カプレーティとモンテッキ」(1830年初演)です。カプレーティはキャピュレット、モンテッキはモンタギューのイタリア語です。こちらもジュリエットの「おお、幾たびか」など有名なアリアがあります。
こちらもパリ・オペラ座。ネトレプコとロメオ役はメッツォ・ソプラノのディドナートです。


1幕
https://www.youtube.com/watch?v=JHW2ujnaoLs
2幕
https://www.youtube.com/watch?v=28t-t2i0TiY


次にバレエですが、なんと言ってもセルゲイ・プロコフィエフ(1891-1953)の「ロメオとジュリエット」(1938年初演)でしょう。彼はこの作品をベースに、3つの管弦楽の組曲とピアノ独奏用組曲を書きました。


西本智実指揮のPR動画です。
https://www.youtube.com/watch?v=JgOWX6ssaFE

 

執筆:上月光



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