第28回 ヴェローナその1 「ヴェローナ街並み前編 古代ローマの遺跡と中世のスカラ家」
第28回 ヨーロッパ音楽都市巡り
ヴェローナ その1
「ヴェローナ街並み前編 古代ローマの遺跡と中世のスカラ家」
東へ行けばヴェネツィア、西へ行けばミラノ、南へ行けばボローニャ、北へ行けばブレンナー峠を越えてインスブルック、さらにイタリアで2番目に長いアディジェ川が街中をS字に流れ、紀元前より交通の要衝として栄えていました。現在は、ヴェネツィアと同じヴェネト州の西端に位置し、郊外にはロンバルディア州との州境にはイタリアで1番大きな湖、ガルダ湖があります。
ローマ時代の遺跡や中世の街並みが残る旧市街は世界遺産となっています。
また、シェークスピアの「ロミオとジュリエット」の街として有名ですが、こちらは第3回、4回で詳しく触れます。
街のシンボルは古代ローマ時代の円形闘技場アレーナ・ディ・ヴェローナ。これはヴェローナの第5回で音楽祭とともに案内します。

ヴェローナのシンボル、アレーナ
他にも古代ローマ時代の遺跡や建造物は数多く残っています。アディジェ川沿いには斜面を利用して建てられた野外のローマ劇場があり、現在も夏の間、シェークスピアの演劇等で使用しています。

ローマ劇場
そのすぐ横には考古学博物館もあります。ローマ劇場のすぐそばにあるのが、ピエトラ橋。写真の奥の部分が古代ローマ時代のものです。古代ローマ時代以来、街の正面玄関だったボルサーリ門。3層の立派な門で、「ロミオとジュリエット」にも出てきます。また、ガーヴィ門という紀元後1世紀の門もありますが、200年前にフランス軍に壊されたので、別の場所に復元されています。エルベ広場近辺にあるレオーニ門は、一部だけが現存しています。現在の道路の下から数多くのローマ時代の遺跡が発掘されて、今も見ることができます

考古学博物館

ピエトラ橋

ボルサーリ門

ガーヴィ門

レオーニ門
中世に街を治めたスカラ家の城や廟も多く残っています。スカラ家はミラノのスカラ座の時に説明したようにヴェローナを統治していた領主です。カステルヴェッキオ城(イタリア語で古い城の意味)は、14世紀にスカラ家のカングランデ1世によって建てられた城塞で、現在は美術館になっています。カステルヴェッキオ城の前のある立派な橋はスカリジェロ橋。残念ながらドイツ軍に破壊され、現在のものは再建されたものです。ロマネスク様式のサンタ・マリア・アンティカ教会にはスカラ家の廟があり、特に有名なのは、カングランデ1世の石棺ですが、教会の扉の上に墓とはとても珍しいです。

カステルヴェッキオ

スカリジェロ橋

スカラ家の廟

カングランデ1世の石棺
ヴェローナは赤い大理石でも有名で、街中には赤の大理石の建造物が非常多いです。イタリアで赤の大理石と言えばヴェローナ、白の大理石といえばカッラーラです。
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