第16回 その1 「花の都、ルネッサンスの街並み、ドゥオーモ、ウフィッツィ美術館」
第16回 ヨーロッパ音楽都市巡り
フィレンツェ その1
「花の都、ルネッサンスの街並み、ドゥオーモ、ウフィッツィ美術館」
イタリア中部、リグリア海に面したトスカーナ州は、温暖な気候と豊かな土壌に恵まれ、紀元前よりたいへん栄え、「花の都」と呼ばれてきました。ルネッサンス時代はメディチ家によって統治され、世界一の芸術都市の栄光を欲しいままにし、今も世界遺産に登録されている歴史地区ではその素晴らしい芸術文化を見ることができます。大詩人ダンテが「神曲」を書き、ジョット、ミケランジェロ、ボッティチェッリ、ダ・ヴィンチ、ラファエッロら偉大な芸術家たちが今に残る遺産を数多く残しました。
丘の上のミケランジェロ広場やジョットの鐘楼の上から市内を一望すると、街中の建物がオレンジの屋根に白い壁で同じ高さにそろえられ、ルネッサンス時代の美しい街並みがそのまま残っていて、街中がひとつの美術館のようです。

ミケランジェロ広場から市街地
特に目立つのは、フィレンツェのシンボル、ドゥオーモ(大聖堂)で、白、緑、ピンクの大理石からなる巨大なゴシック様式の傑作です。天国の扉があるサン・ジョヴァンニ洗礼堂、ジョットの鐘楼を合わせて、サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂と言います。

ドゥオーモとジョットの鐘楼
洗礼堂
そして街の真ん中をアルノ川が流れ、かの有名なヴェッキオ橋を始め、数々の橋がかかっています。

アルノ川とヴェッキオ橋
広大な敷地を持つピッティ宮殿は、モーツァルトがトスカーナ大公に謁見した場所で、現在はパラティーナ美術館、ボーボリ庭園を持っています。また、このピッティ宮殿とウフィツィ美術館をつなぐヴァザーリの回廊はメディチ家のプライヴェートな通路として作られた世界一豪華な廊下で、有名なヴェッキオ橋の2階部分を通ることができます。
ウフィツィ美術館。かの有名なボッティチェッリの「ヴィーナスの誕生」と「春」、他にもラファエッロの「ひわの聖母」、ミケランジェロの数少ない絵画「聖家族」、ダ・ヴィンチの「受胎告知」等々、ルネッサンス最高峰の美術館に相応しいコレクションで溢れています。

ウフィッツィ博物館
そしてウフィッツィ美術館を出たところが市の中心、シニョーリア広場です。14世紀に市庁舎として建てられたヴェッキオ宮殿は今も市庁舎として使われています。

シニョーリア広場コジモ1世騎馬像とヴェッキオ宮殿

ヴェッキオ宮殿
ヴェッキオ宮殿の前には有名なミケランジェロのダヴィデ像が立っていますが、これはレプリカで、本物はアッカデミア美術館にあります。

シニョーリア広場ダビデ像
サン・ロレンツォ教会はルネッサンス様式の聖堂で、メディチ家の墓があります。サンタ・クローチェ教会は、ミケランジェロ、ガリレオ、マキャベッリらが眠るフランシスコ会の教会で、作曲家のロッシーニもここに眠っています。

サンタ・クローチェ教会

ミケランジェロの墓

ガリレオの墓

ロッシーニの墓
サンタ・マリア・ノヴェッラ教会は、世界最古の同名の薬局を併設しています。サン・マルコ美術館はギルランダイオの「最後の晩餐」やフラ・アンジェリコの「受胎告知」などが有名です。

世界最古のサンタ・マリア・ノヴェッラ薬局

サン・マルコ教会
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