第9回 ザルツブルク No2「コンサート会場、名所旧跡、サウンド・オブ・ミュージック」
ヨーロッパ音楽都市巡り
第9回 ザルツブルク No2
「コンサート会場、名所旧跡、サウンド・オブ・ミュージック」
さて、ザルツブルクの後半です。
まず劇場ですが、シーズンのオペラやコンサートのためでなく、音楽祭のために作られた会場となります。1960年に作られたメインの祝祭大劇場は、客席は2,200席ながら、世界最大級のステージを持つ素晴らしい劇場です。祝祭大劇場と繋がっている祝祭小劇場は、全面的な改築工事をして、モーツァルト生誕250年の2006年に1500席のモーツァルトハウスとしてオープンしました。もう1つ繫がっているのが、フェルゼンライトシューレという岩をくり抜いて作った1550席のオープンエアの劇場です。それぞれに素晴らしい劇場ですが、1年間のうち実質2か月しか使われないというのは贅沢な限りです。その他にもモーツァルテウム入ホールや州立劇場などもあります。
州立劇場
さて次にモーツァルテウムはいろいろな側面を持っています。まず、国際モーツァルテウム財団というモーツァルトの研究、出版や生誕週間の主催。次にモーツァルテウム音楽大学と教育機関、さらにはモーツァルテウム管弦楽団というオーケストラも持っています。
次に教会ですが、街のシンボルは大聖堂です。最初に建てられたのは、774年。今日のバロック様式の教会になったのが、1628年。戦争の爆撃を受けた後、建て直されたのが、1959年で、この重要な3つの年号は今も大聖堂のゲートに書かれています。ヨーロッパ最大のパイプオルガンを持ち、入場してすぐ上に聖歌隊席があり、ミサではこの聖歌隊席にオーケストラや合唱団が入ります。
大聖堂正面(金箔で年号が書かれています)
大聖堂内部(パイプオルガンのすぐ前のスペースにオケと聖歌隊が入ります)
もう1つのシンボルは、山の上に立つ標高508mのホーエンザルツブルク城です。ケーブルカーで登ることが出来、城の大広間でコンサートやセミナーなどが開かれます。
ホーエンザルツブルク城を望む
そしてもう1つ、ザルツァッハ川を渡り右岸にあるミラベル宮殿と庭園も有名です。
ミラベル庭園(ここでドレミの歌が歌われました)
ザルツブルク郊外の湖水地方、ザルツカンマーグートも素晴らしい景勝地として有名です。
郊外でもう1つ、ドイツとの国境にあるオーベルンドルフという小さな町は、世界一有名なクリスマスキャロル、「きよしこの夜」で有名です。2018年にはこの歌が生まれてから200年周年のお祭りがありました。
オーベルンドルフ
最後に映画に触れておきましょう。ザルツブルクが舞台で忘れてならないのが、ジュリー・アンドリュース主演のミュージカル映画「サウンド・オブ・ミュージック」です。この実話をもとに作られた映画が封切られたのが1965年ですが、「ドレミの歌」「エーデルワイス」「すべての山に登れ」等、半世紀経った今も色あせない素晴らしい音楽に溢れた名作です。
メンヒスベルクの丘より旧市街を望む
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